みやこ町デジタルミュージアム

新着情報

  • 2021/06/01

    日経新聞小説 伊集院静「ミチクサ先生」所縁の話題と資料(7)

     日本経済新聞連載の小説「ミチクサ先生(伊集院静氏作)」ゆかりの館蔵資料とエピソードを紹介するこのページ。
    7つ目は「漱石の水彩画(書架図)」です。

     

     漱石が執筆を終えた午後に、気分転換を兼ねての揮毫をよくしたことは有名ですが、揮毫は書だけでなく絵を描くこともしばしばでした。晩年は玄人の域に達し「生涯に一枚でいいから人が見て有難い心持のする絵を描いてみたい」と述べた漱石ですが、初期の作品は鏡子夫人らから「すこぶる下手」とこき下ろされています。
     ただ、漱石のために弁護しておくと、初期の絵は晩年大成した南画ではなく水彩画で、しかも自己流だったため「下手」も仕方なかったようですが、描く目的は、美の追求よりもむしろ精神の安定にあったようで、絵を描くことで帰国後乱れがちだった精神が、なんとなく落ち着いたとしています。

     ミチクサ先生の作中で、寺田寅彦と共に洋画を鑑賞している頃の漱石は、既述の目的で水彩画を量産していたころですが、自作の絵の出来栄えはともかく、その見識や審美眼はすでに完成していたといえそうです。
     写真の絵は精神不安がピークを迎え、夫人とも別居した時期(明治36[1903]年8月)のものですが、家族を呼び戻す思案に暮れつつ、自らの知の拠り所とした本棚を描いたところに「漱石の煩悶」が現れているようで意味深です[小宮豊隆資料から]。

  • 2021/06/01

    みやこ町お宝マップ(樹木編)完成!

      歴史たんけんマップ第4弾「自然遺産(樹木)編」が完成しました。子供さん達にわかりやすくみやこ町の魅力を知ってもらえるよう工夫を凝らしたパンフレットです。

     本編では、みやこ町にある地域や人々のシンボル・誇りになっている樹木をとりあげ、樹木1つ1つにその木にまつわる特徴やエピソードを紹介しています。

     過去に発行した、第1弾「史跡・建造物編」 第2弾「豊前神楽編」 第3弾「伝説・昔話編」に本編を含めた4つは本HPのサイドメニュー「みやこ町文化遺産」の"みやこのこと”コーナーからダウンロードして自由にプリントすることができます。

     なお、プリントはA3サイズまでに留まることが多いようですので、A2サイズで仕上がりのきれいな本格使用のパンフレットをご希望の方は、博物館までお越し頂くと無料で入手できます。

    詳しくはこちらをご覧ください>>

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