みやこ町デジタルミュージアム

新着情報

  • 2021/06/18

    ★★★緊急事態宣言解除後の博物館利用について

     福岡県下に発出されている緊急事態宣言が、6月20日(日)を以て解除されることに伴い、博物館の利用を以下の要件のもとに再開することと致しましたのでお知らせします。
    ■利用要件の概要■
    1.期間:6月22日(火)~7月11日(日)
    2.業務別の利用要件
    (1)共通事項
     ・館が行う感染拡大防止対応(マスク着用・手指消毒・検温・利用者カードの記入・3密回避・人数制限等)にご協力下さい。
     ・①発熱や継続的な咳症状、体調不良のお客様 ②身近に新型コロナ感染者もしくは感染した可能性の高い方がおられるお客様の来場はお控えください。
     ・感染拡大に伴う急激な情勢変化があった場合、予告なく利用要件を改変する場合があります。
    (2)展示観覧について

     ・個人の観覧は通常通り可能ですが団体利用に制限があります。

      ①町外からのものは7月11日(日)までお断りします。

      ②町内者の20人超の利用時は、分割利用をお願いします。
    (3)窓口業務について
     ・利用可能です。用務を簡潔に済ませられるようご配慮下さい。
    (4)館の主催行事やサービス対応について
     ①歴史講座について
      ・6月26日(土)の「みやこ学講座」から再開します。
    ②現地学習等協力支援対応(いわゆるガイド対応等)について
     ・町外からのご依頼については原則お断りいたします。
     ・町外であっても公的研究機関や公益事業であることに伴い、何らかの対応を希望される場合は事前にご相談下さい。

     利用者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解・ご協力を宜しくお願い致します。

  • 2021/06/01

    日経新聞小説 伊集院静「ミチクサ先生」所縁の話題と資料(7)

     日本経済新聞連載の小説「ミチクサ先生(伊集院静氏作)」ゆかりの館蔵資料とエピソードを紹介するこのページ。
    7つ目は「漱石の水彩画(書架図)」です。

     

     漱石が執筆を終えた午後に、気分転換を兼ねての揮毫をよくしたことは有名ですが、揮毫は書だけでなく絵を描くこともしばしばでした。晩年は玄人の域に達し「生涯に一枚でいいから人が見て有難い心持のする絵を描いてみたい」と述べた漱石ですが、初期の作品は鏡子夫人らから「すこぶる下手」とこき下ろされています。
     ただ、漱石のために弁護しておくと、初期の絵は晩年大成した南画ではなく水彩画で、しかも自己流だったため「下手」も仕方なかったようですが、描く目的は、美の追求よりもむしろ精神の安定にあったようで、絵を描くことで帰国後乱れがちだった精神が、なんとなく落ち着いたとしています。

     ミチクサ先生の作中で、寺田寅彦と共に洋画を鑑賞している頃の漱石は、既述の目的で水彩画を量産していたころですが、自作の絵の出来栄えはともかく、その見識や審美眼はすでに完成していたといえそうです。
     写真の絵は精神不安がピークを迎え、夫人とも別居した時期(明治36[1903]年8月)のものですが、家族を呼び戻す思案に暮れつつ、自らの知の拠り所とした本棚を描いたところに「漱石の煩悶」が現れているようで意味深です[小宮豊隆資料から]。

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