みやこ町デジタルミュージアム

学芸員に聞いてみよう

みやこ町の文化財についてのよくある質問を記載しています。
文化財について疑問に思ったことを「学芸員に質問する」からお送りください。いただいた質問については可能な範囲で回答をホームページに記載させていただきます。

「八景山たんけん」への質問

  • 「八景山」の名前の由来を教えて下さい。

    03月28日

     八景山は町の北西端(みやこ町国作)にある標高76.3mの小丘陵です。崖の事をさす地名「はけ」を付して山の通称(=はけやま)としていたようです(江戸時代の古文書にも登場)。が、やがてこれを頂上からの素晴らしい眺めにちなんで趣のあるものにしたいとの意識が働いたようで、誰言うとなく名所や絶景を指す通称「八景」(「瀟湘八景しょうしょうはっけい」「近江八景」等が有名)の文字を宛てて「八景山」と呼ぶようになり、幕末期には既にその名で呼ばれていたことが確認できます。
     やがて、その八景に具体的な景色を宛てて説明されるようにもなり、佐野経彦著『豊前国古史地名考』に引用された下条担洲の「楽彼園詩文稿」には、①由布岳(の残雪)②姫島(の春景)③英彦山(の白雨)④周防灘(をゆく舟の帆並)⑤馬ヶ岳(の新緑)⑥宇留津(の夜漁のいさり火)⑦障子ヶ岳(の城跡)⑧蓑島(の白鷺の群舞)の八景だと説明されています。
     この他「豊前八郡の秀景を見渡せるから」とか「四方八方にひらけているからだろう」などの説もありますが、いずれにせよ、ふるさと豊の国の「まほろば」(「すばらしい景色・場所」を意味する古語)を一望のもとに見わたす、絶好のビューポイントであることにちなむ地名と言えそうです。

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