八景山は、英彦山から永らく伸びてきた尾根筋が、京都平野を前にしてこぶ状に突きだしたのちに途切れ・消滅する小山で、古来こうした地形はハヤマ【葉山・端山】と呼ばれて、古代人は祖霊の寄り来る山と考えました。それゆえか、古墳をはじめとする祖霊への祈りやまつりに由来する遺跡が小さな山中に展開し、その植生とともに「小さな野外博物館」のようになっています。

山中に残る遺跡(甲塚方墳/古墳):八景山の南側登山口に所在する甲塚方墳。本体となる八景山のミニチュアのようにしてそびえる小山に見えますが、実は人造の山で、その正体は古墳です。東西約46m・南北約36mほどの方墳で、方錐型であることから「土のピラミッド」とともいうべき姿が印象的です。